| 話題提供:ウイスコンシン霊長類センターにて | ||
| ウィスコンシン州立大学マジソン校霊長類センターへの留学について(報告) | ||
| 日本獣医畜産大学獣医病理学教室 中村紳一朗 | ||
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約2年間、職場から留学の許可をいただいてウィスコンシン州立大学ウィスコンシン霊長類センター・テラサワ教授のもとでサル類の視床下部における成長ホルモン分泌支配の加齢に伴う変化について研究して参りました。 下垂体から分泌される成長ホルモンは視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)による促進的、およびソマトスタチン(SS)による抑制的な支配を受けています。しかし成長ホルモンの支配様式は動物種間差が認められます。またGHRHのアナログ、SS自身が他の臓器で産生されるため、一般的なホルモンのように血清を用いた計測はできません。従ってテラサワ教授のラボでは、人に近縁なサル類を用いた、視床下部から分泌されるホルモンを直接計測するためのpush-pull perfusion(PPP)という方法を確立しています。 老齢(n=7, 27.0 +/- 0.7歳)と若齢(n=12, 5.0 +/- 0.3歳)のそれぞれ雌アカゲザルのGHRHとSSをPPPにて計測したところ、GHRHは老齢群の方が明らかに低く、SSは老齢群の方が明らかに高い、というデータが得られました。他種動物などではGHRHとSSそれぞれ一方が加齢とともに変化するというデータも得られておりますが、アカゲザルの場合は両者のコンビネーションによって成長ホルモンに作用していると考えられました。 その他、ウィスコンシン霊長類センターの概要についても簡単に紹介しようと考えております。本センターは以前からサル類の栄養学や神経内分泌学では大きな功績をあげておりましたが、近年では免疫学や細胞工学(サル類のES細胞を見つけたトムソンのラボはここにあります)で大きな実績を得ております。研究に必要な人材や資材が豊富で、効率よく結果を出していくのには最高の環境でした。実際に感じた、日本とアメリカの違いなどをふまえてお話しできたら幸いだと考えております。 |